FTP 入門

僕のディレクトリはどこ?

FTP ソフトの中には、ほとんどの部分をソフトが肩代わりしてくれるタイプのが あります。便利ですが、もちろん欠点もあります (そりゃ何だって欠点くらいありますやね)。 それは、裏で何が起きているかわからないということです。しかも、この種のソフトは 最初にいろいろ聞いてくるので、使ってる僕らは「え? 俺に聞かれても知らないよ」 ってことになりがちです。

例えば、この FTP 入門の 2 ページ目で出てきた 「ディレクトリ」。業者のサーバのどこを借りたのかを表す住所のようなもの、 でしたね。ところが、業者によってはそこまで教えてくれないのです。FTP ソフトが サーバに接続したときに、サーバが「このディレクトリにして」と FTP ソフトに 教えることができるからです。わざわざ言わなくてもちゃんとそのディレクトリに 行けるんだから、教える必要はない、というわけです。

ちょっと待ってよ。そりゃそっちはそれでいいかもしれないけど、こっちは不安に なるじゃないか。「ディレクトリを入力してください」なんていわれたときに、 「え? なにそれ?」ってさ。

ここを乗り越えるには、肩代わりしてくれないタイプのソフトを試す方が 安心できるかもしれません。肩代わりしてくれないということは、裏を返せば、 自分が何もしなければ何も起きないということですから。 「丸ごと肩代わり」型のソフトより、「とんでもない事態」が起きる割合は低そうです。

前置きがだいぶ長くなってしまいました。そろそろ本題に入りましょう。

いま知りたいのは、自分が借りてるディレクトリがどこか、です。 筆者が知ってる Windows で調べる場合について説明します。

Windows には、ほとんど「肩代わり」してくれない、ぶっきらぼうな FTP ソフトが 標準装備されています。これを使って調べてみましょう。 「サーバ名」「ユーザー名」「パスワード」は必要です。「なんだそりゃ」と思った方は、 この FTP 入門の 2 ページ目をご覧ください。

さて、さっそく問題の FTP ソフト、その名も「ftp.exe」を起動してみましょう。このソフトを使うには、Windows のスタートメニューから 「名前を指定して実行」を選びます。で、入力欄に「ftp」とだけ入れて、 「OK」ボタンをクリックしてください。 「ftp」は半角ですよ。大文字でも小文字でもかまいません。

すると、黒地のウィンドウが開き、白い文字で

ftp>

という表示が出ます。これは「ボス、指令をどうぞ」の状態です。そこで 「open」とキーを打ち、1 マス (半角で!) スペースを入れて、次に「サーバ名」を押して、 Enter キーを押します。これは、「このサーバにつなげ!」という指令です。 すると、ずらずらと英語が並びます。サーバによって細かいところが違うと思いますが、 大体の流れが同じなので、慌てないでください。

ftp> open myserver.ne.jp
Connected to myserver.ne.jp.
220 xxx.xxx.xxx.xxx FTP server (Version 2.4 Fri May 17 10:38:22 EDT 1996) ready.
User (myserver.ne.jp:(none)):

上の中で、最初の myserver.ne.jp というのが 自分の入力したところで、あとは勝手にずらずら表示された部分です。 そのうち最初の 1 行は「サーバにつながったよ」の意味。次が「サーバが自己紹介して、 準備オッケーだといってるよ」という意味です。その次の行は「ユーザー名を 聞かれてるよ」という意味です。あなたが入力するのを待っているのです。 自信を持ってユーザー名を入力してください。最後に Enter を押すのも忘れずに。

User (myserver.ne.jp:(none)): myname
331 Password required for myname.
Password:

なんかまた出てきました。これは、「myname というユーザー名に対する パスワードを入れてくれ」という意味です。パスワードを入力してやってください。 何を押しても表示されません (人に見られると困るからです) が、 ちゃんと入力はされています。 あ、打ち間違えたかも、と思ったら、Back Space キーを充分押して、 最初から打ち直せばオッケーです。

230 User myname logged in.
ftp>

また英語ですね。今度は「myname さん、いらっしゃーい」という意味。 やっと準備完了です。このとき、あなたはすでに問題のディレクトリにいるはずです。 そして、再び「ボス、指令をどうぞ」の状態です。いま知りたいのは 自分のディレクトリ名です。「pwd」と打ちこんで、Enter。 これは、今いるディレクトリを教えろーという命令です。

ftp> pwd
257 "/public/web/myname" is current directory.
ftp>

やっとわかりました。借りているディレクトリは「/public/web/myname」です。 これは「/」で区切られているので、「public 市 web 区 myname 町の中は 自由に使っていいんだ」ということがわかります。どこかにメモってください。 そうしたら、ftp.exe に最後の指令です。

ftp> bye
221 Goodbye.

こちらが出した命令は「じゃーねー」。サーバが答えて「またねー」。

これで無事に終了です。実際には、Goodbye の行が 表示された次の瞬間にウィンドウが閉じてしまうので、 「あ、閉じた。ということはちゃんと終われたんだな」くらいに 思っておけば大丈夫です。


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